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シャープ、アジアへアトム隊を<輸出> 合展・個展などの販売提案も

◆シャープが国内で販売店への商品・販売提案や消費者への販売促進を行ってきた「ATOM(アトム)隊」をアジア各地で展開を始めた。7月からマレーシアやシンガポールで、アジア各地にある販売会社から選抜した現地社員を対象にアトムトレーナーの育成を目指した研修を始めている。今後、スリランカバングラデシュなどアジア全域に展開し、そのリーダーを1年をメドに2、300人に増やす。

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アジアでの販売強化を目的に、今まで国内で実績を積み上げてきたアトム隊の活動手法を持ち込み、中国や韓国メーカーなどライバル会社との競争に勝ち残り戦略を進める。
マレーシアに本社を置くアジア複合会社、シャープエレクトロニクスマレーシア(SEN)にアジアATOM統轄部を7月1日付で設置しており、ここでアジア各地から選抜した現地社員に向けて日本のアトム隊で培われた販売・マーケティング手法の指導が行われている。

この研修を通して、店頭展示や合同・個店展示会などのイベント企画提案など、現地に適した営業ノウハウを身に付けたスペシャリストのATOMトレーナーを育ててアジア各地での販売シェアを高めていく。

シャープは2002年からアジアの販売会社社員を対象に、国内のアトム隊による販売力強化研修を行ってきている。すでに50人程度のアトムトレーナーが育っており、彼らが中心となってアトム研修が行われている。
12年には、今回新設のアジアATOM統轄部の前身となる「合展・個展推進センター」を設置して、管内各地の販売店に対して展示会などま販促支援を始めている。

今、マレーシアやシンガポールでは現地の販売店に向けて、売り場での商品展示を購入心理をくすぐるものへと変更する提案をしたり、販促イベントが実際に行われ販売会社が動員を支援する活動を行うなどして成果に結びついている。
シャープは2016年にアジア地域での売上目標を3000億円においているが、アジアアトム隊がその先兵となることは間違いなさそうだ。

シャープのアトム隊は、1064年、東京オリンピック後の販売不況によるテレビの大量在庫を消化させよと発足した。商品を作った工場の従業員たちが販売店への商品・販売提案などをするとともに、消費者にも商品を勧めるなど「販促のシャープ」の名前を定着させる原動力になってきた。

来月でちょうど創設50周年を迎えることになり、それを機にアジアでのシェア拡大を進めていくことになった。さらにシャープ執行役員のアジア・中近東・アフリカ副代表の新昌SEM副会長 = 写真 = は「アジアでのアトム隊の活動が日本国内での営業にも一石を投じることになると思う。シャープ復活につながっていくことだろう」と、アジアアトム隊への期待の高さを語っていた。

【写真】は、マレーシアの現地社員に向けてのアトム研修の様子。