新・デジタリアンの散歩道

デジタリアンが取材したデジタルなニュースをお届けしています。

シャープ、限られた広さの屋根で高効率発電 業界トップクラスのモジュール変換効率の住宅用単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」4機種を発売

◆シャープは、高効率住宅用単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR(ブラックソーラー)」4機種を2015年6月30日から発売する。限られた広さの屋根で高効率発電を誇るそれは、業界トップクラスのモジュール変換効率だという。

 

f:id:sozaki:20150501113041j:plain

 

 太陽電池モジュールは、太陽光のエネルギーを吸収して直接、家庭で使える電気に変えるエネルギー変換器である。
 シリコンなどの半導体で作られており、この半導体に光が当たると日射強度に比例して発電する。モジュールは光を受けると、原子が正孔(+)と電子(-)に分かれることによって発電するのである。

 

 6月に発売される4機種のひとつ標準タイプのNQ-220AEは、モジュール変換効率が業界トップクラスの19.1%で、出力は220Wを達成している。出力は同社の従来品よりも10Wアップしている。
 4機種を生産する堺工場では、これに先駆けて14億円の投資を行って設備を整えてきた。
同社の五角博純ソーラーシステム事業部長は「効率の良い投資となった」と話している。

 

 BLACKSOLARは太陽電池のセル受光面から電極をなくしたことで、全面で光を受けることが出来るようにしている。
 さらにセルでの発電ロスを少なくする工夫を施している。それはセル内で発生した電気を消失させないために、電気の基になる+と-の再結合を抑えることで実現しているというものだ。

 

f:id:sozaki:20150501113111j:plain

太陽電池モジュールの説明をする五角博純ソーラーシステム事業部長

 

 建物1棟とうたりの平均太陽電池容量の推移をシャープの販売実績データをもとに見てみよう。
 11年度には1棟当たりの発電量は4.2Kwだったが、14年度には4.9Kwにまで増大している。 これは限られた屋根面積に、よりたくさん設置できる高効率な太陽電池モジュールが求められていることを示すものでもある。
 日本の既築戸建住宅は寄棟、複合屋根が半数以上を占めており、屋根は狭く、複雑、屋根面が多いのが特徴になっている。

 

 高効率な太陽電池モジュールは、設置枚数が限られる日本特有の狭い屋根面に最適である。これによって限られた屋根面積でより多くの発電と売電ができるようになる。4機種はそれぞれ形状や大きさが異なり、色んな屋根の形に合わせて設置できるのが特徴でもある。