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シャープ、自走式業務用ロボット掃除機を開発   アマノと協業で製品化   28日アマノから発売

◆シャープはタブレット端末で設定するだけで自動で掃除をしてくれる業務用ロボット掃除機を、時間管理・業務用清掃機器の大手メーカー、アマノと協業して開発。アマノが2015年9月28日から自社ブランドで発売する。シャープは今回、ロボットの走行を制御するアルゴリズム(手順)による自律移動技術を開発した。販売価格は180万円(税別)。アマノは初年度300万台の販売を目指している。

 

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タブレット端末で操作できる自律走行式ロボット掃除機

 

 記者は老人病院で寝た切り患者ばかりをを収容した病棟で清掃の仕事を、約1年間にわたって経験したことがある。床の掃き掃除・水拭きの後、ポリシャーで磨いて仕上げる。100床ほどの病室を1人で担当するのだから、ほぼ半日を要する重労働であった。

 アマノが発売する業務用ロボット掃除機「RcDC」(RV-380iX)は、そんな掃除をほぼ無人でこなしてくれる。人手不足に伴う省人化対策として注目されている。

 掃除を始める前にタブレット端末による「清掃プランの作成」が必要だ。タブレットでまずロボット掃除機に清掃現場をセンシングさせて清掃エリアや広さを測り、清掃マップを作成して吸い込み強度など運転条件を設定していく。あとはスタートボタン押すと、ロボットが自動で最適なルートを選んで自律走行して掃除をしてくれる。

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業務用ロボット掃除機「RcDC」(RV-380iX)の走行デモ

 これは今回、シャープが初めて開発した独自の走行制御アルゴリズムによって可能になったもの。
 開発に携わったシャープ生産技術開発本部スマートロボティクス開発センターの上田泰広主席研究員は「自動移動技術を生かして、いろんなサービスロボットの開発に展開していきたい」と話している。

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シャープ・スマートロボティクス開発センター
上田泰広主席研究員


 掃除機前部にある高速回転パワーブラシがゴミをたたき出して、吸い込んでいく。ダストセンサーがゴミの量を検知して、その寮に応じて吸引力を4段階に自動切り替える。自律走行中に超音波センサーや段差検知センサー、レーザーレンジファインダーなどによって、障害物や段差を検知すると一旦停止して、回避して清掃を続ける。

 超音波センサーは8度の角度で約1メートル先まで、レーザーレンジファインダーは240度のエリアを約10メートル先まで計測できる。

 

■期待広がるロボット掃除機

 

 シャープの業務用ロボットは長崎県ハウステンボスにある「変なホテル」に納入したポーターロボットに次ぐ第2弾。いずれもシャープ社内・工場内で稼働する機器や家電にも用いられている独自のセンシング技術などが応用されている。

 アマノではこの業務用ロボット掃除機をオフィスビルや商業施設、ホテル、工場などに販売する予定だ。

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センサーで障害物を見つけると自動停止、障害物を回避して再び動き始める

 これからは重たいポリシャーを持って床を磨かなくても、ロボット掃除機が自動できれいにしてくれる。約4時間の充電で最大約2時間連続運転できる。病室の掃除にも力を発揮するかもしれない。

 橋本浩栄アマノ・クリーンシステム事業部企画課長は「業務用ロボット掃除機のニーズが拡大している」と話しており、ビルメンテナンス業界へ働きかけていく考えを示していた。

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アマノ・クリーンシステム事業部企画課
橋本浩栄課長


 本体の大きさは幅474×奥行き760×高さ565mm、重さ約30Kg(バッテリー含む)。


 

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