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三菱電機、スタイリッシュなスティッククリーナーを発売へ    インテリアを楽しめる掃除機   市場想定価格7万円前後

◆他社の後追い開発はしない。

 三菱電機の家電品開発の理念でもある。人々から「ニクイねぇ!」と言った声が聞かれる、そんな商品を目指すというのが、同社なのである。

 

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 三菱電機が3月1日に発売するコードレススティッククリーナー「iNSTICK」(HC-VXE20P)もそうした商品のひとつだ。強力な吸引力を99%以上持続し、インテリアに調和するスタイリッシュデザインを採用した。さらに8畳の部屋の空気を51分できれいにするといった、掃除機では初の空気清浄機能も搭載している。

 

 市場想定価格は7万円前後(税別)と少々高めだ。売り場でのボリュームゾーンは2万円前後。1万円以下の商品も数多く並ぶ。ただし最近発売された海外製スティッククリーナーの中には7万8千円台の商品も見られる。

 かつては10万円台の炭釜ジャー炊飯器を業界に先駆けて発売し、ブームを作った経験もあることからも、同社は「すでに同等の価格ゾーンの商品も発売されている」と、充分に勝算はあると自信をみせる。

 

抜群のデザイン性

 

 掃除機だが今までのように納戸に仕舞っておく家電ではない。部屋に置くインテリアとして使える円柱状のフォルムは、決してスティッククリーナーとは見えない。

 実際に家電量販店の売り場に並ぶ他社の商品と比べて見ても、ナンバーワンのデザイン性であり、同じ売り場に展示しない方がいいのかもしれない、そんな印象を受けたほどだ。

 

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 充電台から外すとスティッククリーナーに、パワーブラシ部を取ると高所クリーナーに変わり、さらにパイプを外すとハンディクリーナーになる。

 そんな多機能な便利ツールとしての一面も持つ。

 三菱電機はこのiNSTICKがスティッククリーナーへの本格参入商品になる。従来のキャニスタータイプの掃除機から築いてきた風の力でゴミを遠心分離する「風神サイクロンテクノロジー」「クリーン排気システム」などで、掃除機としての高い基本性能で先行する海外製品にも迫る。

 

 使わない時には部屋に置いたiNSTICKは空気清浄機能が働いて、部屋の空気をきれいにしてくれる。クリーナーをセットした状態の本体の大きさは幅250X奥行252X高さ1087mmで、置く場所を選ばずに常に出しておける。

 

掃除はしたくな家事ナンバーワン

 

 三菱電機の調べによると「掃除は嫌いな家事ナンバーワンで、掃除機は使いたくない家電ナンバーワン」といった結果が出ている。使いたくない理由の上位3つは「掃除機を出すのが億劫」「ホースの取り回しでイライラする」「掃除機をかけると疲れる」である。

 

 iNSTICKはそんな使いたくない理由を取り除き、ホコリが気になった時など使いたい時にさっと掃除ができるデザインにした。

 しかも同じ同社の調査では平均的な掃除時間は約20分。iNSTICKはフル充電の状態で連続使用できる時間も約20分というから、バッテリー切れを気にせずに掃除できる。もちろん予備バッテリーも用意(別売)されている。

 

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 ところで掃除機の国内市場規模は年間500万〜550万台と横ばいである。この中でスティッククリーナーの構成比は13年度が約7%、14年度は約10%、15年度には約13%と予想されるなど、年々拡大していく。

 これにはちょっとした理由がある。

 

ロボットクリーナーも開発中!?

 

スティッククリーナーは今話題のロボットクリーナーと実に相性がいいというのだ。先夜、大阪・梅田の家電量販店でもそうした話を聞くことができた。それぞれの特性を活かした使い分けユーザーが増えつつあるというのである。

毎朝決まった時間に掃除をしていた今までの生活習慣から、必要な時にする家事へと変化しているからこその掃除スタイルのようだ。

 

 それならば三菱電機はロボットクリーナーの発売はしないのか。

 もちろん開発は進めていた。しかし他社と同じものやマイナーチェンジ程度のもは作らない、といったモノ作りメーカーらしい矜恃を見せる。

 「まったく新しいカテゴリーの商品を出したい。たとえば洗濯は楽しいが、たたむのは億劫という人の悩みを解消してくれるような、そんな発想のロボットクリーナーができるといいですね」(同社)。

 

 ところで三菱電機のこのiNSTICKは、もちろんリチウムイオンバッテリーを用いた充電式掃除機である。しかしながら1960(昭和30)年代にプロレスリングを掃除するパフォーマンスを見せてくれた同社の掃除機「風神」をもはるかに上回る掃除性能を持つこのスティッククリーナーは、新しい生活スタイルを提案してくれているようだ。