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シャープ、15年夏モデルに搭載する人に寄り添う技術「emopa(エモパー)」 期待される今後の進化

◆シャープがこだわり続けているスマートフォンの新機能が、人に寄り添うコミュニケーションツール「emopa(エモパー)」である。2015年夏モデルの全5機種すべてに搭載され、将来は標準機能として装備する考えだが、果たしてこの先どこまで進化させるのだろう。寂しいボクの話し相手になってくれるのだろうか。考えごとにアイディアを提供してくれるようになるのだろうか。欧米企業の後追いにならない先駆けとなる技術となるのか、注目したい。

 
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  シャープはNTTドコモソフトバンクKDDI向けのスマートフォンタブレット、新世代ケイタイ(ガラホ)の2015年夏モデル全8機種を製品化し、5月下旬から順次発売される。
過去数多くの業界に先駆ける開発、製品化をしてきた同社が、ここで新たな技術とするのがエモパーである。
 
    エモパーはシーンに応じてタイミング良く、音声や画面の表示で友だちのようにさりげなく、メッセージを伝えてくれる機能。2014年11月発売の1部機種からVer1.0が搭載され、1.1、1.5とバージョンをアップして、今回、15年夏モデルのスマホ全5機種に2.0を搭載する。
 
    新しくなったエモパーは、入力したキーワードや関連語から、朝や帰宅のあいさつにスケジュール、テレビ番組など利用者に合った話題を選んで声で提供してくれたり、外ではイヤホンから話しかけてくれる。さらには声をかけるともっと話しかけてくれるのだ。
 
    知らない町で電車を降りると周辺のご当地情報をイヤホンから話してくれる。話しかけてくれたことを聞き逃しても「もう一回」と話しかけると、再度話してくれる。
 
   これにはシャープのセンシング技術のほか、音声認識エンジン、デジタルアンプとスピーカー技術といった長年積み重ねてきたノウハウが生かされている。まさに夢のようなツールであるが、取りようによってはお節介な機能でもある。
 
   15年5月25日、シャープ東京支社で記者会見した川口登史通信システム事業本部副本部長は「事業本部内で若手社員と次世代スマホを考えてきました。そのひとつがエモパーであり、今後シより人に寄り添う機能へと開発を進めたい」と話した。
 
    これがより人に寄り添う機能になるには、あらかじめ入力したキーワードに関わらずに、人と自由な会話ができるまで待たなければならないだろう。たとえば利用者が疲れていると「お風呂に入って、早目におやすみなさい」と話しかけ、空腹で帰宅すると「冷蔵庫にカレーが残ってますよ」と教えてくれるのである。独り住いの人には話し相手になってくれる。
 
   そうしたエモパーを進化させるロードマップは描けているのだろうか。それを実現することによって、かつてiPhoneの登場が日本の携帯電話メーカーを震撼させたように、シャープを再生させる大きなパワーを発揮するはずだ。