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三菱電機、ファイバー二次元レーザー加工機 販売拡大へ   今年度生産目標150台

◆企業の設備投資が加速しているのに伴いファイバーレーザー加工機の需要が増えているが、三菱電機は今年度の生産台数を前年比2.5倍の150台に拡大する。2015年6月11日から発売しているステンレス薄板から中厚板・厚板までに対応するレーザー出力4Kwの新製品「ML3015eX-F40」(1億5700万円)を中心に、現在3機種ある製品を今年度中に10機種までに拡大する。

 

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「ML3015eX-F40」での加工実演

 

 国の省エネ補助金制度もあって、このところ自動車、農機、建設機械などの産業分野を中心に消費電力の少ないファイバーレーザー加工機の導入が盛んになっている。

 三菱電機はCO2レーザー加工機では業界トップクラスの市場シェア40%弱を持っている。旺盛な市場動向を受けて、切断速度がCO2タイプの約3倍も早く、ランニングコストは約75%削減できるというファイバーレーザータイプの販売ウエイトを高めている。

 

 三菱電機の昨年度のレーザー加工機の販売台数は630台で、このうちファイバーレーザータイプは60台弱、これが今年度は700台、150台に拡大する見通し。今月発売した出力4Kwタイプの「ML3015eX-F40」に加えて、6Kwタイプも今年度中に発売する予定など、ラインナップを10機種までに拡大する。

 こうしたことから来年度はファイバーレーザー加工機の世界での販売比率を30%に増大させる計画だ。

 

 新製品の「ML3015eX-F40」は拡大戦略の中心機種で、CO2ガスレーザー加工機の主力機「eXシリーズ」に、ファイバーレーザー発振器を搭載したもの。高反射材の加工に優れているほかメンテナンスが少なくて済む。さらにCO2ガスレーザータイプよりもレーザーの発振効率が高く、消費電力が少ないなどの特徴を持っている。

 

 ファイバーレーザータイプの市場拡大は世界的傾向で、欧米ではその比率は50%を超えるケースも見られる。日本では昨年あたりから急速にその傾向が強まっており、三菱電機では来年度世界での販売シェアを30%、それ以降50%以上を目指していく。

 

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ファイバーレーザー加工機への関心が高まっている
三菱電機メカトロニクスフェア 2015 in 西日本」の会場で

 

 同社は新製品の発売にあわせて、6月12日、兵庫県尼崎市三菱電機西日本メカトロソリューションセンターで展示会「三菱電機メカトロニクスフェア 2015 in 西日本」を開いた。西日本各地から工作機械、金型、板金、部品加工業者など取引先から約700人が訪れ、商品の説明に聞き入っていた。展示会は13日まで。

 

レーザー加工機は、不可視レーザービームでさまざまな素材を彫刻・切断・穴あけ・マーキング加工する工作機械。手作業で加工 していたものをレーザー加工機を使用することで大量生産、時間の効率化が可能になった。大量生産する場合でもデータひとつで作成が可能なコンピューター化された加工機である。