新・デジタリアンの散歩道

デジタリアンが取材したデジタルなニュースをお届けしています。

音楽を聴くスタイルが変わる

◆「歌は世につれ世は歌につれ」と言われる。ある時代によく歌われる歌は、その時代の世情を反映しているものだという意味で用いられるが、歌(音楽)を聴くスタイルがこのところ急速に変化してきている。デジタルという世(社会)の変化に伴うものであるが、今、エレクトロニクス業界と音楽業界に大きな変化が生じ始めている。

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9月末で閉店するサウンドパル共電社

 大阪・日本橋4丁目の高級オーディオ・ビジュアル専門店の老舗小池電気が8月で閉店したのに続いて、同5丁目のやはり老舗のサウンドパル共電社が9月末で閉店する。
 かつて利用していた店がなくなることを寂しく思う人たちは少なくはないが、かと言って彼らが今後も店舗でオーディオ機器を購入するかと言えば、そうとも限らない。

 購入先は全国チェーンの大手家電量販店かネット通販にシフトしているが、それは一時的な流通チャンネルの変化に過ぎない。

 今、顕著になってきているのが、音楽を提供するメディアが変化し、それによる聴くスタイルが変わるということである。
 そのことによってオーディオ専門店やCDショップからは、ますます人が遠のいていくのである。

 注目され始めているのが、CDよりも高音質で、レコーディングスタジオやコンサートホールで録音されたクオリティーがほぼ忠実に再現されるというハイレゾ(高解像度)音源である。その多くはインターネットによるダウンロードによって購入する。
 従来のようにシステムオーディオやコンポーネントステレオで聴く方法もあるが、音楽専用モバイル端末やスマートフォンなどを利用するのが一般的になりつつある。

 もっともハイレゾ音源にはSACDスーパーオーディオCD)やDVDオーディオ、ブルーレイオーディオといったパッケージ系のメディアのものも含まれるが、手軽さの点では配信がまさるであろう。


 このような変化によって音楽を聴くスタイルが変わると、これまで必要だったハード(オーディオ機器)やソフト(CD)はますま不用になり、販売するオーディオ店やCDショップも消えていくということになるのだ。