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インタビュー 客とのコミュニケーションが作った創業45年 共立電子産業代表取締役会長 蘇建源 第6回

■大阪・日本橋共立電子産業のブルーの紙袋を下げて歩く人の姿を見ると、現場を離れて30年もたった今も同社の蘇建源会長は思わずうれしくなってしまうという。長く売り場に立っていないと客の顔も忘れがちだが、たまに通りですれ違う人の中に「うちのお客さんや」という人を見つけることがある。その人もまた創業からの45年を支えてくれたひとりなのである。

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たくさんの人たちで賑わう共立電子産業・シリコンハウス

 社長から会長へと退いたというものの、時折、売り場に顔を出すこともある。そうすると古い客が蘇さんの顔を見つけて話しかけてくれる。
 「店員さんは親切でいい人ばかりですね」
 これねまたうれしい一言である。
 売り場に立つ社員は若く、自分が直接指導したものはいないが、かつて教えたことがそのまま受け継がれているのである。

 

 創業以来、同社の店はいろんな人が利用している。電子工作を趣味にする人たち。もの作り企業の経営者からその社員、さらには大学の先生や学生といった具合に多士済々である。ラジオを作るのが好きだった父親に連れられて日本橋には良く来たという女性は、成人してWebシステムの仕事をするようになったという。そんな人たちが今もたくさん集まってきている。

 「創業して15年ぐらいは売り場に立って、お客さんと直接に会話していました。もちろん業者とのやり取りも僕がやっていました。昔からできるだけ若い人に任せて育てたいという考えがあり、早い段階で現場は離れましたんです」

■うれしい電話

 短い期間ではあったが、蘇さんは若い社員たちに人とのコミュニケーションを大切にすることを教え込んだ。売り場での商品説明はもちろんのこと、電話での商品に関した質問にも丁寧に応えるようにと。それらはすべて自分がいつも行っていることばかりであった。それが今の社員1人ひとりに受け継がれているのだ。

 「電話での商品の問い合わせが多いんですが、販売に結びつかない恐れもあります。それでもいい加減な対応をしていてはいけない。まるで売り場で話しているように、丁寧な説明をしてあげることで、電話で買ってくれるお客も多かったんです」

 ジャンクからスタートして扱うパーツ商品もパソコンや半導体へと変化してきた。今、多くを占めているのはシリコン、コネクターから抵抗、コンデンサー、ロジックIC、CPUなど電子回路のパーツ類である。電線類も安定的に売れている。
 蘇さんは「メモリーは生ものなのと、しかも安く買って早く売らんとあかん」といい、それは主にパソコンのパーツを販売する店に任せてきた。

 支店のデジットで販売するオーディオ系や制御系の商品も安定して売れている。「ちょっと面白いパーツをマニアや教育関係など電子趣味人たちは今でも探していますね」と蘇さん。

 早い時期からパソコンの販売を手がけたことは、販売・宣伝の方法もいち早くインターネットを利用する方法を取り入れてきた。
 「インターネットはパソコンの延長線上にあるものなので、比較的早く取り組めましたね。それを使った宣伝をするところから始めました」

 共立電子産業は店頭販売とともに技術系雑誌を使った通信販売も行っていた。インターネットを導入するようになってからは、ホームページを開設して雑誌広告と連動させている。カタログをインターネットで配信するなど宣伝と通信販売を兼ねたようなものだった。徐々にインターネットにウエイトを移していき、2009年の段階ではネット通販は雑誌通販の倍にまで膨らんでいる。
 
 商品構成が電子部品の通販ではトップクラスだろうと見られている。
ところが扱う商品が小さいだけに、(ネット)通販の売上が増えると、宛先を書いて伝票を添えて梱包し、発送する作業が大変。人手もかかるしなどと蘇さんは笑っている。


 

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