新・デジタリアンの散歩道

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Apple Watchはタイム・ストッパーになれるのか

◆「流星号、流星号!応答せよ」

 かつて「週刊少年サンデー」で連載され、テレビアニメにもなった人気漫画「スーパージェッター」の主人公ジェッターが、愛機のタイムマシーンを呼ぶのに使ったのが腕時計型の通信機であるタイム・ストッパーだった。
 当時、田舎に住んでいた記者は、それが欲しくてほしくたまらなくて、サンダーバード2号は手に入れることは出来なかったが、タイム・ストッパーは懸賞か何かの景品でプラスチック製の簡単なものをもらうことができた。

 

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(スーパー)ジェッターが持っていたタイム・ストッパー


 聞くとその頃、それは子どもたちの間で評判だったらしいが、住んでいた山奥まではそんな情報は届いていなかった。

 携帯電話に憧れた最初の体験だった。その後「宇宙大作戦」など携帯電話の形はどんどんと進化していった。しかし腕時計型通信機はいつの時代も誰もが考える未来形の通信機のスタイルなのであろう。テレビドラマ「タイムスクープ・ハンター」に登場するのも、やはり腕時計型なのだ。
 それはNTTドコモが20年近く前に腕時計型の携帯電話を発売して実現させた。スーパー・ジェッターを現実のものにしたかと期待したが、実際は使い物にならならずにすぐに姿を消していった。

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ジェッターの左手首にタイム・ストッパーが

 

 今度こそは大丈夫だろうか。あのアップル社が発売するのだから。
 腕時計型のウェアラブル端末「Apple Watch」が、2015年4月10日から予約を受け付けており、24日から発売される。通話は出来ないが、時計の表示をはじめメッセージの送信、Facebookの通知、TwitterのタイムラインなどSNSも見られ、地図や写真アプリを使用できる。iPhoneと連動機能はあって、電話の着信も教えてくれるとか。

 

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4月24日に発売される「Apple Watch」

 大阪にも「Apple Watch」向けのアプリを提供するの企業がある。気象情報を提供したりモバイルコンテンツの開発などを行う日本気象(大阪市浪速区幸町、鈴木正徳社長)がそれである。Apple Watchアプリ「雨降りアラート:お天気ナビゲータ」の提供を始めている。

 アプリはiPhoneと連動して、設定した市町村に雨雲が近づくとApple Watchの振動や通知音で知らせるというものだ。雨雲の接近レベルに応じて通知アイコンの色が変わるため、Apple Watchを見るだけで天気の変化が分かるという。

 アプリを起動すると、雨雲の位置がわかる雨雲レーダーを見ることができる。スマートフォンを操作できないスポーツや屋外作業中でも使える。

 

 「Apple Watch」ウェアラブル端末という新しいジャンルの商品と言っても、この程度ならばスーパージェッターのタイム・ストッパーが忘れられない携帯電話ファンにとっては決して満足できない。
 「Apple Watch」が今後、通話機能を持って新しいケイタイの姿を作ってくれることを期待したいのである。