新・デジタリアンの散歩道

デジタリアンが取材したデジタルなニュースをお届けしています。

インタビュー びっくりポンのジャンク販売 ジャンクは商売の原点 共立電子産業代表取締役会長 蘇建源 第7回

◆再びジャンクに話しを戻す。
 「ジャンクは屑です。それを生かしてきたのが共立の原点です」
共立電子産業の蘇建源会長は常々そのように言ってきた。
 その屑の中から光る玉を見つけ出して付加価値を付け、長期間に渡って販売することによって、売上を伸ばしてきたのである。

 屑の山から美味しそうなものだけを持ってきて売るのは誰でも出来るが、見るからに屑を売れる商品にするのは、かなりの目利き力が必要である。蘇さんは「今どきいいジャンクなんてそう滅多にあるもんじゃない。よほど目利きが効かないと売れるものは見つけられない。しかも買ってきたものに付加価値を付けることで10倍、20倍、30倍になって売れる」と、ジャンクの醍醐味を話す。
 ジャンクは100円で仕入れたものであっても、1000円にでも2000円にもなる。

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シリコンハウスの店舗にはデジットの表示が

 世の中にないものを販売するのだから、買う人も喜んで買ってくれる。しかもどこへいっても競合するものがない。もしあったとしても、元はジャンクだから共立では安く売れる。そうして利益を得ることで経営面でもゆとりが出来る。共立電子産業が創業時から進めてきた商法だ。


 ジャンクの世界も変化してきた。
 コンデンサやトランスといった旧来からの商品とともに、世の中の半導体化が急速に進むに伴って、ICのジャンクが出回り始めるようになってきたからである。

 ところが蘇さんはICジャンク品の扱いにはノーと言ったのである。
 「ICは非常に複雑な回路を構成をしている商品ですから壊れても分かりにくい。ジャンクと言えどもは信頼性が第一だから、ICのジャンクを販売するのは危険なんです」しかも部品業界では、半導体からそれを集積したICへと変わろうとしていた。そんな中で「いつまでもジャンクばかりを販売していたのでは店を伸ばすことはできない」と判断した蘇さんは、ジャンクとICなどの店舗を別けるが、それはすでに触れた通りである。


 大阪・日本橋の部品販売会社はジャンク販売からスタートしたところも少なくない。
「同じように付加価値販売や扱い商品などを経て今日に至っているケースもあり、ジャンクは決して下の商品と位置付けられない」
 蘇さんは大学で機械を専攻している。謂わば部品を販売するのは門外漢であった。それが資金も何も持たずに部品の商売を始めるには、ひと皮むいたら美味しいものが出てくるジャンク販売は、まさに起業する格好の材料だったわけだ。


 ジャンクだけに限らないが、客が喜ぶ商品情報を商品に付けることで付加価値を高くすると良く売れる。今に続く共立電子産業の商売の基本である。
 トランスには電源トランスもあればオーディオに用いる出力トランスもある。それぞれ自ずと電力・電圧出力は違ってくる。そうしたことも教えるのは、ジャンク販売での接客では欠かせない。それが付加価値として、屑みたいなジャンク品が高い値段を付けることができるからだ。
 時にはジャンクに回路図まで付けて販売することもある。回路図にはトランジスターなどほかの部品まで型番入りで書き込んである。それが周辺の部品も付随して売れることになることがあるからだ。

 ガレージメーカー、日本風に言えば四畳半メーカーでは注文を受けた商品を作るのに、いちいち金型を作っていられない。ジャンク屋で代用できる商品を探すケースもある。
 そんな客が共立電子産業にはたくさんやって来た。今も来る。
 「ライターをカチッと押したら火花が飛びますが、その点火に用いられるのが圧電素子という部品です。ある時、その部品の新品ジャンクが箱入りで出たことがありました。それを販売する店では危険品扱いして持て余していたものを全部買ってきました。<近づけて用いるとICが壊れます>と但し書きして並べたんです。ところが飛ぶように売れた。中にはICが壊れることを逆手にとる想像も付かない利用を考えた人たちもあった」
 過去の話ではあるがこれも付加価値情報のとつであり、客がおもしろがる商品は売れるという一例でもある。

 このようにジャンクを売って利益を上げるのは、ひと工夫もふた工夫も必要で、ほかのどの部品よりも販売するのは難しいかもしれない。
 ICを売るためにジャンクをシリコンハウスからデジットへと移した。蘇さんは「そこでも私が教えた高付加価値販売を受け継いでくれており、マニアにとっては<おもしろい>と評判を高めている」といい、何が飛び出すか分からない「びっくりポン」のジャンク店を一般部品を販売する店舗から分離した一応の成果を得ているようである。


 

 

 

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インタビュー 客とのコミュニケーションが作った創業45年 共立電子産業代表取締役会長 蘇建源 第6回

■大阪・日本橋共立電子産業のブルーの紙袋を下げて歩く人の姿を見ると、現場を離れて30年もたった今も同社の蘇建源会長は思わずうれしくなってしまうという。長く売り場に立っていないと客の顔も忘れがちだが、たまに通りですれ違う人の中に「うちのお客さんや」という人を見つけることがある。その人もまた創業からの45年を支えてくれたひとりなのである。

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たくさんの人たちで賑わう共立電子産業・シリコンハウス

 社長から会長へと退いたというものの、時折、売り場に顔を出すこともある。そうすると古い客が蘇さんの顔を見つけて話しかけてくれる。
 「店員さんは親切でいい人ばかりですね」
 これねまたうれしい一言である。
 売り場に立つ社員は若く、自分が直接指導したものはいないが、かつて教えたことがそのまま受け継がれているのである。

 

 創業以来、同社の店はいろんな人が利用している。電子工作を趣味にする人たち。もの作り企業の経営者からその社員、さらには大学の先生や学生といった具合に多士済々である。ラジオを作るのが好きだった父親に連れられて日本橋には良く来たという女性は、成人してWebシステムの仕事をするようになったという。そんな人たちが今もたくさん集まってきている。

 「創業して15年ぐらいは売り場に立って、お客さんと直接に会話していました。もちろん業者とのやり取りも僕がやっていました。昔からできるだけ若い人に任せて育てたいという考えがあり、早い段階で現場は離れましたんです」

■うれしい電話

 短い期間ではあったが、蘇さんは若い社員たちに人とのコミュニケーションを大切にすることを教え込んだ。売り場での商品説明はもちろんのこと、電話での商品に関した質問にも丁寧に応えるようにと。それらはすべて自分がいつも行っていることばかりであった。それが今の社員1人ひとりに受け継がれているのだ。

 「電話での商品の問い合わせが多いんですが、販売に結びつかない恐れもあります。それでもいい加減な対応をしていてはいけない。まるで売り場で話しているように、丁寧な説明をしてあげることで、電話で買ってくれるお客も多かったんです」

 ジャンクからスタートして扱うパーツ商品もパソコンや半導体へと変化してきた。今、多くを占めているのはシリコン、コネクターから抵抗、コンデンサー、ロジックIC、CPUなど電子回路のパーツ類である。電線類も安定的に売れている。
 蘇さんは「メモリーは生ものなのと、しかも安く買って早く売らんとあかん」といい、それは主にパソコンのパーツを販売する店に任せてきた。

 支店のデジットで販売するオーディオ系や制御系の商品も安定して売れている。「ちょっと面白いパーツをマニアや教育関係など電子趣味人たちは今でも探していますね」と蘇さん。

 早い時期からパソコンの販売を手がけたことは、販売・宣伝の方法もいち早くインターネットを利用する方法を取り入れてきた。
 「インターネットはパソコンの延長線上にあるものなので、比較的早く取り組めましたね。それを使った宣伝をするところから始めました」

 共立電子産業は店頭販売とともに技術系雑誌を使った通信販売も行っていた。インターネットを導入するようになってからは、ホームページを開設して雑誌広告と連動させている。カタログをインターネットで配信するなど宣伝と通信販売を兼ねたようなものだった。徐々にインターネットにウエイトを移していき、2009年の段階ではネット通販は雑誌通販の倍にまで膨らんでいる。
 
 商品構成が電子部品の通販ではトップクラスだろうと見られている。
ところが扱う商品が小さいだけに、(ネット)通販の売上が増えると、宛先を書いて伝票を添えて梱包し、発送する作業が大変。人手もかかるしなどと蘇さんは笑っている。


 

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シャープ、プラズマクラスタエアコンXシリーズを12月11日から発売  吹き出す風に含まれるカビ菌を約99%カットする「風クリーンシステム」を搭載

◆シャープが自社のエアコンに、エアコンの運転中はエアーフィルターでホコリをブロックし、停止後は湿度をカットして内部洗浄して、ホコリや湿気、空気の停滞などカビ発生の要因を防ぐ「風クリーンシステム」を搭載したのは2015年度の新製品からだった。それをさらに進化させたのが12月11日から順次発売するプラズマクラスタエアコンXシリーズ。吹き出す風に含まれるカビ菌を約99%低減して清潔な風を送り出すことができる。高濃度プラズマクラスター2500の働きによってカビ菌の増殖も抑制する。

 

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パーツを取り外して水洗いもできるプラズマクラスターエアコンXシリーズ

 プラズマクラスタエアコンXシリーズは、カビが発生しやすい温度や湿度になると、自動的にファンが逆回転し、高濃度プラズマクラスターイオンが充満してカビ菌の発生を抑制させる。「風クリーンシステム」を搭載していない機種と比べて、吹き出す風に含まれるカビ菌を約99%低減するため、床面まで高濃度プラズマクラスターイオンを届け、カーペットにしみついた汗のにおいなどを消して、部屋の空気を浄化する。


 搭載する「風クリーンシステム」はエアコン内部を清潔に保つ効果があり、従来よりも進化している。そのひとつが掃除アシストブラシを新たに追加していることだ。それによってエアーフィルターの内側に入り込んだほこりや油汚れを押し出して、ほこりをブロックしてくれ。
 シャープは「フィルターの自動掃除で当社従来比約1.3倍のほこりがとれる」としている。

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上下両開きのロングパネルによる気流制御は不快な温風も制御してくれる

 エアコン内部にほこりや汚れがたまると、風の流れが滞って、送風時に余分な電力を消費することになる。その送風時の無駄な電力を抑え、同システムを搭載しない機種と比較すると消費電力を約1.7%も低減する。


 また、室内機の吸い込み口を拡げ、送風ファンを大きくすることで送風効率がアップしたことで、省エネ性能が同社比約5.8%向上させている。

 

 プラズマクラスタエアコンXシリーズはさらに、パーツを取り外して水洗いできるのも大きな特徴だ。同社によると「エアコンを自分の手で手入れしたい」という人は26%で、「したいと思ったことがある」という人たち45%を加えると7割以上が手入れを希望している。
 さらに「水洗いしたい」人は21%で、「できればしたい」といった人たちは61%もあり、8割を越す人たちがパーツの水洗いといったニーズを持っている。

 新製品はパーツを簡単に取り外して水洗える作りにしている。吹出し口周辺のルーバーは業界で唯一、完全に取り外せるようにしているほか、手入れの手順を本機が音声で教えてくれるほか、手入れ方法を紹介する動画をスマートフォンなどで確認することもでる。

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エアコンの業界需要動向の推移(シャープ予想)


 独自のロングパネルを従来の機種と比べて122%大きくしたことで、温風を足もとまで届けることができる。最高足元温度は従来が41℃だったのに対して、42.5℃にまで高めている。

 このほかにもシャープ独自の上下両開きロングパネルによって気流を制御して、冷房時は部屋全体を均一に冷やし、暖房時には足元から温める。また、人に風を当てない気流制御は、人の位置を検知して不快な温風を制御する。


 12月11日から順次発売するのは、6畳タイプから23畳タイプまで全部で9機種。市場想定価格は23万円前後から35万円前後まで。いずれも税別。


 

 



 

ヴァンソン藤井由実さん  大阪・日本橋でLRT導入をテーマに意見交換会  LRTは街の景観を再生する

◆フランスの都市交通政策に詳しいヴァンソン藤井由実さんが、このほど大阪・日本橋日本橋筋商店街振興組合の会議室で、次世代路面電車システム・LRTの普及が進む仏・ストラスブールの事例を元に講演し、LRT導入を計画する日本橋の人たちと問題点などについて意見を交わした。

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仏・ストラスブールの事例を紹介しながらLRT導入について話す
ヴァンソン藤井由実さん

 LRT導入には住民の同意が欠かせないー。

 ヴァンソン藤井さんは参加者を前にそう言い切った。
新しい事業を進める段階では必ず反対派の存在は付き物であるが、まったく新たなLRTを導入するような場合にはなおさらである。
 そうした点にヴァンソン藤井さんは「すでに導入している先進地域の事例を反対派の人たちに見てもらうのが良策」と指摘するとともに「導入に失敗したケースからその原因を学んでおくことも大切」とも助言した。

 昭和時代には路面電車も走っていた日本橋筋ではあるが、それが廃止されて久しい。代わって地下鉄が道路の下を走る。それで十分じゃないか。当然、そんな意見も出てくる。

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路面電車とLRTの違い


 ヴァンソン藤井さんが見続けているフランス・ストラスブールのLRTは21年前に導入されているが、その一番の導入目的は「街の景観を再生することだった」という。
 道路は車に占有され、人が街歩きを愉しむ環境ではなかったようだ。しかしLRTを走らせるで、車を少なくして、街にうるおいと賑わいをもたらせることにつながる、と市長みずから旗を振って導入が進められた。

 今の日本橋も中央の広い道路は車のものであり、歩道は走る自転車の恐怖を感じながら歩かなければいけない。
 LRTはそうした一昔前の状況を改善してくれるようだ。

 ストラスブールでは大型駐車場を街の入り口に設けて、街に入るにはLRTを利用するパークアンドライド方式が採用されている。これによって車の乗り入れが規制され、歩行者専用道路や自転車専用道路も整備され、街は人々の回遊性がぐんと高まった。

 電車の軌道は緑化することで、街並みの美化にもつなげているし、街灯、駅名標識、ゴミ箱などのデザインを統一化して、美しさとともに初めて街に訪れた人にも分かりやすいサービスを提供されている。

 もちろんいいことばかりではない。LRTを導入する工事の間、商店街の店舗は来店客が減少するかもしれない。それをフランスでは売上の減額損を店舗が申告することによって、市が補填することで解消されている。LRT導入のための行政側による施策の整備も欠かせないようだ。

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LRTには人優先のさまざまな工夫が見られる

 地下鉄と違ってゆっくりと走る路面電車は車窓から街の景色を楽しむことができる。「あっ!こんなお店が出来たんや」など、新たな発見もある。暗闇の中を走る地下鉄では決して味わえない楽しみのひとつでもある。

 参加者から出された質問にヴァンソン藤井さんは「これが単にかけ離れた外国の都市の事例として受け止めるのではなく、自分たちの街に置き換えて考えていくことが大切。LRTの導入をひとつのきっかけとして、暮らしやすい街、歩いていて楽しい街、そして美しい街並みを取り戻すことにつなげてほしい」と話していた。

 

 

 



シャープ、プラズマクラスターイオン発生機   ベッドサイド用と天井設置型の2タイプを発売

◆主力商品の幅を広げようと懸命にシャープは今、部門単位に新規商品の開発に力を入れている。業界に先駆けた商品開発は同社が創業時から受け継ぐDNAであり、先の決算での赤字も跳ね飛ばす活力の源となると期待されている。2015年11月26日から発売するのは、おしゃれに枕元をトータルケアするベッドサイド用とLEDライトを搭載した天井設置型のプラズマクラスターイオン発生機である。いずれも昨年初めて発売したが、予想を上回る好調な売れ行きにアップグレードした新機種を投入し、同社オリジナルのプラズマクラスターの普及をはかる。

 

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枕元をトータルケアするベッドサイド用プラズマクラスターイオン発生機

 プラズマクラスターは除菌・消臭、静電気除去効果、肌保湿効果などがあるとされている。シャープは自社の空気清浄機やエアコン、冷蔵庫、掃除機など15品目に搭載するほか、国内の26社の異業種企業にも提供している。それを搭載した製品の累計販売台数は6000万台にもなるという。

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増えるプラズマクラスター搭載商品

 

 それを搭載する自社製品のひとつで、今回、第2弾を発売するのが、枕元をトータルケアするベッドサイド用とLEDライトを搭載した天井設置型のプラズマクラスターイオン発生機である。

 

 とりわけベッドサイド用の「IG-HBP1」は、女性の「ベッド周りでの悩みごと」を解消してくれる商品だ。寝ている間の汗の臭い、体臭などを消臭して枕の周りを清潔にしてくれるほか、浮遊アレルギー物質の作用を抑えたり、寝ている間の美肌ケア、気分と目を和らげてくれる「さくら色あかり」効果でリラックスさせてくれる。市場想定価格は2万円前後(税別)。

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プラズマクラスターイオン発生機の市場拡大を話す
中島光雄シャープ空調・PCI事業部長

 

 この商品が女性を意識しているのは、従来商品とは大きく変化した商品の形状を見ても分かる。それはまるで香水の瓶のようでもあり、最も広い部分の面積が従来よりも約55%もスリム化している。
 しかも本体にはさくら色の水が入っているかのように見えるラインシルエットが「プラズマクラスターのうるおい効果を表している」ようである。

 

■電球感覚で使えるニオイ除菌・消臭

 

 LED照明とイオン発生機がひとつになったのが2014年に発売した天井設置型プラズマクラスターイオン発生機「IG-GTA20」であった。「場所もとらず電源にも困らない」「人感センサーなので消し忘れがない」など、好評を博している。

 

 しかしそれは1畳用とトイレなど限られた狭い場所でのものだった。そこで今回発売するのは1畳用「IG-HTA20」のほかに2畳用の「IG-HTA30」を加えた2タイプを発売する。ともに従来のソケットがそのまま使えるE26口金形形状アダプターである。市場想定価格は1畳用が2万2千円前後、2畳用が3万円前後。いずれも税別。

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電球感覚で使えるプラズマクラスターイオン発生機

 1畳用はトイレに、2畳用は玄関・洗面所などの除菌・消臭に適している。いずれも気になる「ニオイ原菌」をプラズマクラスターイオンが除菌と消臭してくれる。
 さらに1畳用は照明の明るさは従来機と同じながらも約30%の小型化と静音化を実現。新たに投入する2畳用はイオン効果の範囲を従来機の2倍にし、明るさは60W相当で810ルーメンにまでしている。

 

 もちろん従来通り人感センサーでLEDライトは人がいる時にはオンに、いない時にはオフに自動的に切り替えられる。プラズマクラスターはどちらの場合も運転を続ける。


 

 

 

 




 

日本電業工作、災害に強い街づくりに役立つ防災情報ステーションを発売  カメラ・Wi-Fi機能付防災照明灯

◆太陽光パネルで発電する自立電源の照明灯でありながら長距離無線中継機能やWi-Fiアクセスポイント機能、監視カメラ機能を備えた「ワイヤレス照明灯」を通信インフラ開発の日本電業工作(東京都千代田区九段南、瀬川純社長、DENGYO)が2015年12月から発売する。災害時に夜間の避難路を照らしたり、避難場所での非常灯として利用、さらには災害現場の状況を映像でリアルタイムに無線伝送するなど緊急時の通信手段として有効。このワイヤレス照明灯は災害に強い街づくりに役立つ防災情報ステーションとして期待されている。

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 防災情報ステーションの都市防災対策での利用イメージ

 

 設置する場所や用途に応じて3つのラインナップが用意されている。価格は120万円から。

 都市防災対策としての利用には照明にWi-Fi機能とカメラ機能、中継機能を備えたフルタイプが、セキュリティ対策として使用するにはカメラ機能と中継機能を付加したもの、そして観光地などWi-Fi機能を整備するのが目的にWi-Fi機能と中継機能を備えたものの3種類である。
 いずれのタイプにもLED照明、太陽光パネル、内蔵バッテリーは付属しており、電源も通信光ケーブルも不要の完全に自立して運用できるようになっている。


 搭載するカメラは2メガピクセルの高画質カメラで、無線伝送機能とアクセスポイント機能には業界最小の低消費電力2.5Wの「Falcon WAVE2.4G」を使用している。基幹中継系はDENGYOの高利得アンテナと組み合わせて、1対1のポイント トゥ ポイントで最長6キロメートル、1台に対して最大4台の子機とのポイント トゥ マルチポイントでは最長880メートルの無線中継伝送が可能だ。


 総合的な都市防災対策としての活用を目指す最上位タイプは、通信網などが遮断された場合でも防災情報ステーションとして住民の安否確認や拠点間の通信手段として情報伝達ができる。避難所のリアルタイム映像中継からWi-Fiエリア化までを1台で構築できるので、住民が多く集まる大規模な避難所や施設に最適とされている。

 

 カメラ機能+中継機能タイプは、工場や施設の入口などに設置して、防犯カメラ監視として映像をリアルタイムで無線伝送して、遠隔地の状況を常時監視することもできる。犯罪抑止としても効果的です。車番認識ソフト等と組み合わせると入退出車両を遠隔で管理できる。

 下位機種のWi-Fi機能+中継機能タイプは、観光地や公園などのWi-Fi環境の整備として観光情報の発信や地域サービスの提供などに適している。中継機能で防災拠点などと結んで、災害時の防災Wi-Fiステーションとしても利用できる。


[防災情報ステーション ワイヤレス照明灯]

http://www.den-gyo.com/solution/solution09_b.html

 

 

 

トラム728推進委員会  LRT都市サミット鹿児島2015と第12回全国路面電車サミット2015鹿児島大会に参加  「トラム728(なにわ)線」開通への情報を収集

◆かつては車がなければ夜も日も明けぬとさえ言われていたが今はまったくその逆。人々が歩いて暮らせる楽しく安心・安全な街を作るためにも車から道路を取り戻し、車に追い払われた路面電車を復活させようといった市民運動が全国で盛んに展開されています。大阪・日本橋に次世代型路面電車(LRT)で賑わいを取り戻そうと運動を続けている「日本橋にトラムを通してにぎわいを進める会(トラム728推進委員会)」(蘇建源委員長)もそうした街づくりを考える団体だが、2015年10月23、24日には鹿児島市内で開かれた路面電車が走る全国8都市の首長たちが集まった「LRT都市サミット鹿児島2015」に初めて参加。
また24、25の両日には同市内のホテルで開かれた、路面電車の愛好家たちによる「全国路面電車サミット2015鹿児島大会」にも出席しました。いずれのサミットもLRT・路面電車の導入によって、環境に配慮して地域を元気にする公共交通ネットワークによる街づくりを目指すーなどのサミット宣言を発表して、路面電車の普及を誓い合っていました。トラム728推進委員会では、この内容を検証しこれからの日本橋の街づくりにどのように生かしていくかを考えることにしています。

 

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LRT都市サミット鹿児島2015」のもよう


 両サミットには大阪・難波と阿倍野を結ぶ次世代路面電車(LRT=トラム)の開通を目指す「日本橋にトラムを通してにぎわいを進める会(トラム728推進委員会)」(蘇建源委員長)が初参加しました。同会はLRTを街の中心部を走る堺筋日本橋筋)に通して、街の緑化と賑わいを取り戻し、買い物客や観光客が楽しく街歩きできるようにしたいと考えています。

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全国路面電車サミットで「トラム728線」構想を説明する蘇委員長

 蘇委員長は両サミット参加して、すでにLRT・路面電車を導入している都市の意見、導入しようとする街の声を聞くことで「これから開通運動を始めるトラム728(なにわ)線に役立てたい。失敗事例なども参考にしたい」と話していました。
 都市が新たにLRT・路面電車の導入の増設をはかる場合、行政機関や議員などへの説得工作が必要なことはサミットの他都市の事例でも明らかになっており、大阪・日本橋においても今後、情報収集とともにロビー活動が重要になるとみられています。

■LRT導入で歩いて暮らせるコンパクトな街づくり

 

 同市内の東急REIホテル鹿児島で開かれたLRT都市サミット鹿児島2015には、LRTのトップランナーとも言われている富山市の中村純副市長をはじめ福井市の中西賢也特命幹、豊橋市の木村邦久副市長、岡山市の山﨑康司都市整備局長、広島市の竹内功副市長、松山市の梅岡伸一郎副市長、熊本市の大西一史市長、鹿児島市森博幸市長らが参加しました。
 首長会議ではそれぞれが、各地の路面電車のLRT化の取り組、LRT・路面電車を使った街づくりの展望などについて発表しました。

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サミット宣言を発表したLRT都市サミットに参加した8都市の首長

 参加都市の中で唯一LRTを導入している富山市の中村副市長は「新幹線の高架下にLRTが乗り入れをして高齢者や児童の利用が増えおり、JR線で南北に分断されている現在のLRT線は今後接続させることでより利便性を高める」と話しました。
 同市では沿線にイベント空間を設けるなどして利用者の拡大を図っており、街の賑わいにつなげている事例も紹介していました。

 サミット開催地の鹿児島市は大正元年に路面電車を導入しています。現在は57両(うち低床式は13両)が運行。26年度には年間利用者数は約1069万人になっています。今後、LRT化を進める一方で都市の魅力を拡大するために、錦江湾など市内の水辺の観光地を巡るウォーターフロント線を新設するなど、観光路線を充実させたいとしています。

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鹿児島市内を走行する路面電車

 LRT都市サミット鹿児島2015の初日の最後は、8人の首長が勢ぞろいして「歩いて暮らせるコンパクトな街づくり」「観光客にも分かりやすい公共交通」「環境負荷の少ない街づくり」「LRT化への優遇税制」「都市間連携」の5項目の実現を目指すといった「サミット宣言」が発表されました。

宇都宮市が来年度LRT整備着工へ

 LRT都市サミット鹿児島2015の2日目は、鹿児島市内の最高気温が30℃にまで上昇した中で行われました。

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基調講演をしたフリーアナウンサー福澤朗さん

 基調講演では元日本テレビのアナウンサーで、フリーアナウンサー福澤朗さんが、日本人は昔から鉄道を擬人化するなど鉄道を愛する気風が強いことを説明。
 鹿児島国際大学鹿児島市交通局とのコラボレーションで誕生したキャラクター車両「シロクマ黒豚でんでん」に代表されるように、全国でも路面電車が市民に広く親しまれていることが大切であると指摘しました。
 次いで次世代型の路面電車であるLRTは「高齢者も利用しやすく暮らしやすい街づくりを進める地方再生の交通機関である」と、その必要性を強調していました。

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フランス・ストラスブールでのLRT事例を説明するヴァンソン藤井由実さん

 ビジネスコンサルタントのヴァンソン藤井由実さんはフランス・ストラスブールでのLRT導入の経緯や運用の実態、将来計画などを話しました。

 LRT導入都市のトップランナーと言われる富山市からは中村純副市長が、JR線で南北に分断されている路面電車の路線を、JR線の高架化によって南北を接続させる計画を説明しました。
 宇都宮市の福原悟建設部次長は2016(平成28)年度にLRT整備に着工し、2019(31)年度にもLRTを運行させることを発表しました。

 同市は今年11月6日にLRT事業会社を設立することになっている。2019(平成31)年度のLRT導入・運行に向けて、来年度にも整備着工する計画が発表されました。事業費は452億円を計画。ピーク時の1日の利用者数が2万3千人(最低時1万5千人)と予測しています。

■LRT導入は街づくりの基本

 第12回全国路面電車サミット2015鹿児島大会は、24日夜、同市内のホテルに全国から路面電車の愛好家たちが100人余が集まり、逢沢一郎衆議院議員などを招いて懇親パーティーから幕開け。25日には会場を同市内のホールに移して、全国から24の市民団体から活動状況や現地でのLRT化への取り組みなどが報告されました。

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低床型車両と軌道内の緑地化が進む鹿児島市電

 会議に先立って糸嶺篤成大会実行委員長、福元修三郎鹿児島市交通局長があいさつ。鹿児島市電の特徴などについて説明しました。

 参加した路面電車に詳しい宇都宮浄人関西大学教授は「歩いて楽しい街づくりが大切になってきている。そのために何が必要なのか、どのようなサービスが求められるのかを考えなければならない」と、LRT導入の目的を改めて指摘しました。鹿児島中央駅周辺でまち案内ガイドをする能勢謙三さん元南日本新聞社記者は「誰にでも分かりやすい公共交通システムが大切である」と強調していました。

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LRT都市サミット鹿児島2015で鹿児島市の公共交通システムについて話す森市長

 来賓のひとり国土交通省都市局の神田昌幸街路交通施設課長もまた「街づくりには何が一番求められているのかを考えていくことが重要」と、街づくりを基本にLRTの導入・運行を進めるべきであることを指摘していました。

 最後に糸嶺大会実行委員長がLRT導入へ向けての運動を「幅広い市民合意形成のモデルになるように、各地の団体が連携して取り組む」と、鹿児島大会のサミット宣言を読みあげて閉会しました。

 

【精米】京都府 丹後産 白米 コシヒカリ 5kg 平成27年産

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生まれ変わるでんでんタウン  増える海外客  バーカーキング日本橋店も出店へ

◆大阪・日本橋は絶えず新しい顔を見せてくれている。
2015年12月末までの期間限定ショップで出店しているのがアニメグッズなどのアウトレット商品を販売する店舗。「ジャングル」が閉店した元家電店の跡を利用してオープンしたもので、海外からの買い物客を含めて若い人たちが絶え間なく店を訪れている。

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海外からの買い物客を当て込んで免税店も増えている

 大阪・日本橋4丁目の地下鉄恵美須町駅近くには米国2位のハンバーガーチェーン店「バーガーキング」がやって来る。

 最近までマクドナルドが営業していた跡への出店で、オープンは11月末の予定だ。バーガーキングの日本での店舗数はまだ少なく、関西でも12店舗があるだけ。
 日本橋にオープンすると大阪府内で9店舗目となり、でんでんタウンの新しいグルメスポットとして話題になりそうだ。

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液晶ディスプレイを使った新しいサービスも

 ジョーシンスーパーでんでんランド(同4丁目)の店頭では、液晶ディスプレイに映った自分の姿を見ながらスマホで撮影できる新しい自撮りサービスに、海外からの買い物客がワイワイと賑わいをみせていまします。


 

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三菱電機、「三菱ENEDIAハウス京都」で電気の自給自足を体感 京都製作所でエネルギーマネージメント事業も

太陽光発電で電気を作り、それを電気自動車の大容量蓄電池にためて、家庭の電力として活用する。もちろんしっかりと省エネをすることは言うまでもない。そんなスマートハウス「三菱ENEDIAハウス京都」が、京都府長岡京市にある三菱電機京都製作所内に2015年6月に開設され、連日、ハウスメーカーや代理店などからたくさんの人たちが訪れている。三菱電機京都製作所では既存の民生用・業務用映像機器事業とともに、新たなエネルギーマネージメント事業にも乗り出しており、同事業は17年度には京都製作所の全売上の19.3%まで拡大させたいとしている。

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三菱ENEDIAハウス京都

 創エネと蓄エネ、省エネが体感できる三菱ENEDIAハウス京都は、5月から実証実験を始めている神奈川県鎌倉市大船の三菱電機情報技術総合研究所内に「大船スマートハウス」に次ぐもので。西日本では初。
建物は地上3階建(3階はルーフガーデン)、延床面積176.24平方メートル。ここに三菱HEMS、ルームエアコン、EV用パワーコンディショナ、換気扇群、ヒートポンプ式冷温水システム、エコキュート、IHクッキングヒーター、液晶テレビ太陽光発電システムなどのENEDIA関連機器が設置してある。

 三菱ENEDIAハウス京都ではEV用パワーコンディショナ「SMART V2H」によるVehicle to Home(V2H)システムと太陽光発電システム・HEMSの連携によるエネルギー自立生活が体感できるようになっている。
 建物の1階には居間やキッチン、浴室などが設けられ、2階には主力の映像事業の製作所らしく4K映像が見られるシアタールームも設けられている。リビング、ダイニング、キッチン、浴室などで、HEMSと換気・空調機器の連携運転による室内空間も体感できる。

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能勢純一京都製作所所長

 三菱電機は14年に京都製作所にHEMS開発センターを開設している。HEMSは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略で、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム。家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を自動制御するシステムのことをいう。
 これをより使いやすいものにするために、ユーザーの声を集めて即座に開発に反映させようというのが、このスマートハウスが目指すところ。

 三菱電機のHEMSは「間取りコントローラー」。部屋ごとの機器の状態を見ることが出来る上、個々に制御できる。しかも地上3階までの部屋の間取りをユーザーの住宅に合わせてカスタマイズできるようになっている。

 三菱ENEDIAハウス京都で使う電気は、通常時は電力会社からの系統電力が使われるが、停電時には屋外の電気自動車と接続されたEV用パワーコンディショナから供給される。

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三菱ENEDIAハウス京都の創エネ、蓄エネ、省エネの仕組み

 普段太陽光発電によって創られた電気はEV用パワーコンディショナを介して電気自動車に蓄電されるが、それが非常時に活用できるという。
 1週間の自立運転ができるといい、ENEDIAハウス京都ではそうした仕組みを手に取るようにみることができる。

 こうしたハウスで電気の自給自足というエネルギーマネージメントの仕組みを感じ取ろうと、6月のオープン以来、連日見学の申込みが寄せられており、9月末での累計見学者の数は約3000人で、年内には9000人を超えるだろうと見られるているほどだ。

 

■京都でエネルギーマネージメント事業スタート

 

 政府は2030年までにHEMSを全世帯に普及させる目標を立てているが、そうした中で三菱電機は20年には市場全体で今の約5倍の世帯数にHEMSが導入されると予測している。こうした変化は同社のENEDIA関連製品の売上拡大につながることが期待されることから、早期に同製品で300億円の売上アップを目指している。

 京都製作所では03年に太陽光発電のPVモジュールの生産を始めているが、14年のHEMS開発センター設立に次いでEV用パワーコンディショナーの生産開始、今年に入ってPV用パワーコンディショナの生産を始めている。

 点在していた中津川製作所など各地のエネルギーマネージメント事業を集約をすすめることで、開発から生産、営業まで一貫した事業展開が可能になり、市場の拡大が望めると期待が高まっている。

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ENEDIAハウスの説明をする三菱電機電材住設PV事業部の吉川利彰スマート事業推進部長 

 京都製作所におけるエネルギーマネージメント事業は12年度にスタートしているが、HEMS開発センターが設置され事実上の事業元年である14年度の売り上げは、全京都製作所の売上のわずか0.3%であったが、15年度にには10.8%にまで拡大を果たしており、16年度17.

8%、17年度19.3%へと拡大させる計画だ。

 能勢純一京都製作所所長は「エネルギーマネージメント事業は17年度には15年度比で約2.5倍に規模にする予定で、大きく伸ばしていきたい」と話している。

 

 

Fire タブレット 8GB、ブラック

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シャープ、広島県立総合技術研究所農業技術センターと電球形LED防蛾ランプを共同開発

◆シャープは広島県立総合技術研究所農業技術センター(農技センター、東広島市)と共同で、特定の波長とパターンで点滅させることで、農作物の開花に影響を与えることのない電球型の防蛾LEDランプを開発した。16億本と国内では最大の生産量を持ち、広島県内でも最大の生産量を誇る菊の栽培用に期待がかかっている。来春にも製品化し販売を計画している。価格は1個5000円を予定している。

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左からシャープ・染井潤一所長、広島・農技センター・松岡孟所長、同栽培技術研究部石倉聡副部長

 電球型の防蛾LEDランプは両者が9年をかけて共同開発した。このLED光による農作物に影響を与えない防蛾照明技術は、多くの農作物に被害をもたらし防除が難しいとされてきたオオタバコガやハスモンヨトウといった蛾の成虫・幼虫の防蛾に効果があることが、広島県三次市のアスパラガスの露地栽培などでの実証実験でも認められている。

 従来、この種の夜蛾類を農薬を用いない防除方法には、水銀灯や蛍光灯など黄色に発光する防蛾ランプが利用されており効果を発揮していた。ところが従来は常時点灯しており、菊やイチゴなど短日植物と言われる光に敏感な農作物では、花が咲かないなどの影響が出ることから使用できなかった。

 これを解消し、あらゆる農作物に利用できる防蛾照明として開発されたのが、黄色点滅する電球型LEDランプである。

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電球型の防蛾LEDランプの開発技術イメージ

 黄色蛍光灯はすでに植物栽培の夜蛾を防ぐ道具として30年近く広く用いられていた。このことからも黄色が夜蛾を防ぐ効果が大きいことは実証済みで、今回も黄色が採用された。もちろん研究段階では緑色など他の色も検討されたが、菊など短日性植物と言われる光に敏感な農作物にも使えることが決め手ともなった。

 今回ランプを点滅させている。これは2Hz、0.5秒間隔で点滅させることで、防蛾に大きな効果をもたらせることになった。それは点滅時間にあり「試行錯誤した結果」(農技センター)算出された数字で、0.1秒点いて0.4秒切れる1対4の割合を導き出したのが大きな成果のポイントでもある。

 照明を使わない場合と比較すると、今回開発した電球型の防蛾LEDランプは防蛾効果は約4倍も違いが見られる。LEDはそれ自体に虫を寄せ付けない効果があるといわれているが、黄色点滅させることで「点滅させない黄色LEDと同等以上」(農技センター)というさらに高い効果が得られるといった結果も得ている。

■特定波長の点滅光で蛾による農作物被害を減少

 従来、防蛾に使われていた黄色蛍光灯と比較すると約13分の1という低消費電力で、実証実験を行ってきた広島県内の畑では10a(1000平方メートル)の広さで、25個の電球型LEDを使用しているが、電気代は1ヶ月で約400円である。
防水性にもすぐれており、非常に高い防水性能を表す数値IP65相当を確保している。

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解発の概要を説明する農技センター石倉副部長

 点滅パターンや蛾が嫌う色については電球型の防蛾LEDランプの開発以前に金沢工業大学千葉大学による基礎研究がある。それらとすでに防蛾ランプに用いられていた技術成果などを応用する形で今回の開発につながった。
 広島県立総合技術研究所農業技術センターの松岡孟所長は「農業は工業力、技術力が欠かせなくなっています。今回、両者の強みを生かした連携によって、競争力を強めていければと考えています」と、LEDによる防蛾照明技術への期待を高めていた。

 従来の防蛾照明には黄色蛍光灯が用いられていたが、今回は電球タイプのLEDランプが採用されている。シャープが来春発売を予定しているのは点滅タイプと点灯タイプの2種類。いずれも消費電力は1.5Wで、点灯タイプは常時点灯でも作物の生育に影響がない場合の利用にといった条件付きで提案する。

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シャープ・BtoB事業推進センターの染井潤一所長

 シャープ電子デバイス事業本部BtoB事業推進センターの染井潤一所長は「広島県産の技術・商品として世界へ広めていきたい」と話しており、農業用以外にコンビニなど夜間営業で蛾など虫の飛来に悩む施設への販売を拡大したい考え。同時にまた海外市場へ向けてもアピールする。

 シャープはさらに、この技術・製品を農作物の無農薬・減農薬栽培に応用させたいとしている。


 

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