三菱電機、低コストで工場廃水を再利用する新技術を開発
三菱電機は、2015年1月27日、今まで処理コストが高かった工場廃水や下水の再利用が低コストで可能になる水処理技術を開発したと発表した。今後、装置のコストを下げ18年度にも国内で工業廃水再利用装置として事業化を目指し、将来は大容量化技術を開発して下水処理水再利用装置への展開を考えている。
気液界面放電水処理技術を用いた工業排水再利用システム
開発した新技術は、液体と気体の間の境界面の気液界面で放電させて作り出した、極めて高い酸化力を持った酸化剤のOHラジカルによって、分解が難しい物質を高効率で分解させて再利用できる水に変えるというもの。
実際の工業廃水再利用装置には電極を装備した傾斜面を設けて、湿った酸素ガスの中を流れる水の気液界面にパルスコロナ放電を起こさせることで、OHラジカルを発生させて、その酸化力によって二酸化炭素や水に分解する。
これは従来のオゾンと紫外線(UV)を照射して処理する方法と比べると、分解効率を2倍に高め、酸素の使用量は90%削減する。また装置をモジュール化することでコストを低減できるという。
工場廃水には塩素やオゾンなど従来の方法では分解できない化学物質がふくまれている。それを取り除くには高いコストが必要であった。低コストで工場廃水や下水を高純度な再生水に変換することで、再利用率をほぼ100%に高めることが可能になる。